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 わたしがまだ機械であった頃の夢を見た。少し前のわたしと同じように髪は長かったけれど、顔は似ていなかった。

 名前が同じだったのでそれは自分と思った。でもそれは起きてからおかしなことだと思った。夢の中の自分にしか通用しない感覚がある。

 そこでわたしはよく紅茶を入れていて、自分でもブレンドをしているようだった。今のわたしは飲むと喉が渇くので紅茶はあまり好きではなかった。周りにいた人はもう自分では忘れかけていたような昔の学校のクラスメートだったりした。その人たちは今の自分のそれなので、彼ら彼女らもその機械であった自分をわたしと分かっていて会話したりしていた。

 この夢を忘れたくなくて思い出したときからずっと反芻していた。忘れていた夢の内容をしばらくたってから思い出すことがあるのは、時々起こるけれどいつも不思議に思う。時々思い返すようにしていても、夢はどんどん薄れていく。同じような夢をみるとまた綺麗に思い出すこともある。

 夢で何回も訪れたことのある場所ではいつもここに来たことがある、とかここは知っているとか夢の中でも思う。そこは、現実にはない場所のことの方が多い。でもそこが、まだわたしが行ったことのない場所なだけで、本当にこの世界にあるとすれば、とか考えるとこの世界にあるような気もしてくる。